薔薇のマリア〈6〉


薔薇のマリア (6) .BLOODRED SINGROOVE (角川スニーカー文庫)

薔薇のマリア (6) .BLOODRED SINGROOVE (角川スニーカー文庫)

もう分かりきっていたことですが、5巻を丸々前振りに使っただけあってこの巻はやはりとんでもなく面白かったです。
舞台がしっかりとしているのでキャラたちが生き生きと、伸び伸びとしていました。前と違ってこれでもかって良いシーンが満載でしたね。ジョーカーなりに死者を弔ったり、とんでもない化け物との戦闘でのカタルシスであったり、少し唐突ではありましたが、カタリとマリアのシーンも心に響きました。最後のシーンも含め、あるいはすでに短編を読んでいるのですが、彼は「男から漢へ」を見事にやっていますよね。「女の子が女になる」っていうのもよくありますが*1、漢に憧れる男の子っていうのも良いですよね。こっちが憧れます。
アジアンが持つ秘密も意外な所と繋がりをみせ、さらに期待。短編でやってくれると思います。物語に登場こそしないですが、いつの間にかマリアの中ではアジアンの存在が思いのほか大きくなっていたようですね。しかしマリアが「男」ならあそこまでアジアンに思いを馳せることもないんだが(笑)いつまで引っ張るんだと筆者に言いたいですが、とにかくマリアの過去がますます気になります。
どうでもいいけど日本人の大多数が形式的にしか宗教に足を突っ込まないのは、狂気とイコールで結びついてると、こういうものを読んで刷り込まれてるからもしれない。いや違うか。

とにかく。
話の盛り上がりと、その余韻。素晴らしいものがありました。おすすめです。
あと挿絵のサフィニア、もっとおすすめです。

*1:別によくあるわけでもないし、こっちの場合なんか別の意味も含んでいるような(笑)