契火の末裔


契火の末裔 (C・NOVELSファンタジア)

契火の末裔 (C・NOVELSファンタジア)

ティーダ可愛いよティーダ

「私の代わりにその目でたくさんのものを見ておいで」兄である次期盟主の言葉を胸に、精霊の国セアから理化学の町キサへ外遊中の皇子ティーダに突如帰国の指示が出された。ミヤギと名乗る男を供に付けられ、秘密裏に故国へ送り出されてみると、自分は誘拐されたことに!助けにきたはずの同国人には命を狙われ、同行者は裏がありそうで……いったいなにが起こっているのか?謎を追い、少年は一路故国を目指す!


第3回C★NOVELS大賞特別賞受賞作。いかにもC★NOVELSという作品でした。
魔法が発達した国の住人が科学の発達した国に行って、カルチャーショックを受けながらも心温まる異文化交流を描いたファンタジー
……なんて思って手を出した人は豆鉄砲バッシバシ食らいます。ご注意。
というのも、読むとすぐわかりますが、序章から難解で取っ付きにくい。「何だかわかりにくい」という印象はしばらく続いてしまったので残念。新語造語もそうですが、人物の多さ、そしてそれぞれの人物の思惑を理解するのに苦労してしまったのも一端かもしれません。
ティーダを早くから萌えキャラに固定した私は勝ち組でしょう。膝を抱えて頬を押し当てていたり、言動がもう、可愛い。途中、カラーイラストにあるロリっ子に浮気しそうにもなりましたが、なにかぶっかけシーンがイラストになってたり、女装しちゃったり、嬉しいイベント満載でした(笑)
ラスト付近の二転三転も面白かったのですが、とにかくその難しさで、お頭の弱い私は場面場面で置いていかれてしまった感じがあります。
作品に漂う雰囲気は好きなので、もっとシンプルにした方が個人的にはすんなり楽しめたと思いました。
ちょっと人を選ぶので万人におすすめというわけにはいきませんが、作者の筆力も確かですし、権謀術数に塗れた作品が好きな人にはおすすめです。