ドラゴンキラーあります


ドラゴンキラーあります (C・NOVELSファンタジア)

ドラゴンキラーあります (C・NOVELSファンタジア)

おお、これは面白い。

俺は元軍人のココ。時々襲ってくる戦時の記憶に悩まされつつ、しがない便利屋として暮らしている。そんなある日出会ったのは、亡命中の皇女と護衛の女リリィだった。リリィは竜をも素手で殺せるふざけた肉体をもつ超人・ドラゴンキラーのくせに、人を殺すのも怖がる使えないヤツで……。規格外コンビのハードボイルドファンタジー


第3回C★NOVELS大賞特別賞受賞作。
既存の作品に例えるのはあまり良いものではありませんが、敢えて言うなら「され竜+狼と香辛料」でしょうか。
内容紹介だと、味方のドラゴンキラーは人を殺せないように思えますが決して人を殺せないわけではなく、作中でも何人殺したかは明言しています。そもそも「ドラゴンキラー」が何か読む前はわかりにくいですが、サイヤ人のような、攻性咒式士のような、とにかく人間では敵わないような超人です。
キャラの掛け合い、会話はキツイものがあるので最初は戸惑いましたが段々なれてきますね。掛け合いに慣れていくに連れて物語にもどんどん引き込まれていきました。私もリリィみたくココの毒舌に影響されてます。リリィは変化しすぎですが(笑)それよりそんな環境にアルマを置いておくのが怖い……。
人質を上手く使って、ドラゴンキラーが圧倒的有利になるわけでもなく、パワーバランスが上手く取れていました。オチとか設定はもうちょっと、とか思ってしまいましたが、政治的なお話も面白そうだし、敵との交渉やバトルで所々カタルシスを感じられました。
内容的にシリーズ化してもいけそうですな。…と思ったら来月いきなり続編で、しかも「ドラゴンキラーいっぱいあります」って…
読んだ人だけがわかるネタバレをタイトルに持ってくるな!


とにかく。続編も是非とも読みたいですね。おすすめです。
しかしC★NOVELSは新書サイズだから値段は高いんだけど、内容が濃いし、命中率も高くコストパフォーマンスがいいなあ。