戦う司書と荒縄の姫君
- 作者: 山形石雄,前嶋重機
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2007/04/25
- メディア: 文庫
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「一番好きなラノベは何か」と問われたら「戦う司書シリーズ」と答えると思う。
そんなお気に入りシリーズの最新刊。
希望、消滅。
あああ!あああ!
希望がああああ!
こほん。取り乱しました。
大きく物語を動かしてきた。シリーズ中一番派手な展開だと思う。敵も、味方も。
毎回主人公が変わる司書シリーズ。今回の主人公はノロティである。いや、うん。だぶんノロティだと思う。
うーん。
ここまで書いて困った。ネタバレ抜きで語るのは難しい(一応ネタバレは避けて書きますが)
いやーこう来たか、と思った。今回も、本というギミックを最大限活かして書いている。
やっぱり、このシリーズの登場人物には少年漫画の主人公みたいなキャラっていないんだよなあと実感。
人を殺したくない、という主人公っぽいキャラのノロティもやっぱりどこかズレてるし。
ハミュッツはズレてるってレベルじゃないし。
帯にある通りバントーラ図書館vs全世界。
熱い熱い。司書総動員。まさに死闘。ボンボとかユキゾナの能力も判明する。
ってユキゾナ!何で既に死にそうなんだあ!(これはくらいは問題ないよね)
とにかく、初っ端から鳥肌立ちまくり。
読み終わっても胸が締め付けれる感じがするほどだった。
い、いけない。
信者補正が全開だ(笑)
なので一応、言うべき点も。
何かが物足りなかった気もする。
それは、たぶん今まで各巻に明確なテーマがあったのに、今巻はそれが希薄に感じたからかも知れない。
愛だったり、友情だったり、家族愛だったり。今までは、求めて得ぬ人々の話がストーリーの中核にあった。
今回はそれが逆転していて、バトル、というか戦争に重きを置いていたからだと思う。
あと、たまにだけどキャラの造形が崩れる。会話とかで。前回ラスト付近のミレポックも何か違和感があった。石雄の癖なのかもしれないけど、この辺はきっちり直して欲しいところ。
登場人物が容赦なく死んでいく司書シリーズ。それも「本」という設定があるからなせる業。次作の展開は全く読めないが、山形石雄の頭の中にはあるんだろう。期待。
※追記
Amazonのレビューに「何も残らなかった戦い」ということが書いてあり、何処か物足りなさを感じていた部分が解消。それを読者に感じさせるなんて、やっぱりすごい。