9S<ナインエス>VIII

9S(ナインエス)〈8〉 (電撃文庫)

9S(ナインエス)〈8〉 (電撃文庫)


あとがきから読むことをおすすめする。あとがきを読んで鳥肌が立った。それだけ作家葉山透の想いが伝わってきた。昨年は本当に苦しかったんだろう。
それはさておき、ナインエス新刊。さすがに前巻から間があったので色々忘れていた。読み進めていく内になんとか記憶から引っ張り出す。

「生きて帰れとは言わぬ!名誉ある死を遂げよとは言わぬ!
 死して和平の礎となれ!我等こそ、真の平和を体現するものと成るのだ!」


序盤にある黒川の演説の一端。いきなり熱すぎる。真の正義はどこにあるんだろうか。そもそも真の正義なんてものはあるんだろうか(中二病)。黒川率いる「海星」は世間に白い目で見られようと、ただひたすらに正義を追求している。作品によっては主人公が海星側になるものもある。結局、小説であれ現実であれ、勝てば官軍、強いほうが正義になる世の中なんだろう。
前半は由宇や八代など、各々失った士気を取り戻す復活のお話。麻耶と由宇の入浴シーンあり。必見。後半はいよいよADEMと海星の対決。見所いっぱい。役者が揃ってますね。ちょっと敵役が不足気味な気もしますが。遺産はどんどん発展していきますね。星を破壊しかねない(笑)
ラストはこれまた、次巻が大変気になる終わり方。しかし由宇と闘真は本当に大変な恋愛だなあ。
山本ヤマト氏のイラストにも気合が入っており、クオリティが高い。特に口絵がカッコイイですよ。
満足の一冊でした。