煙突の上のハイヒール

小説宝石 2007年 05月号 [雑誌]

小説宝石 2007年 05月号 [雑誌]


まさか自分が小説宝石を読むなんて(笑)
小川一水の短編が載っているとサイト上で告知があり、家を漁ったらありました。親に感謝です。でも今更小説宝石の5月号を読んでいる猛者も私くらいでしょうね。

「煙突の上のハイヒール」(小川一水)

まあ、あれです。一般小説風にはなっていますがいつもの小川一水でしたよ。

http://www.gen-corp.jp/
ちょろっと検索したら出ましたけど、要は↑の世界を描いています。
主人公は至って普通な20代後半のOLですが、結婚詐欺にあって大変落ち込んでいます。銀行でたまたま手に取った雑誌にMew(ミュー)という一人乗りヘリコプターのようなものが掲載されており、金額がなんと142万8千円。すんでのところで詐欺に合わずに済んだお金も142万……8千円。物語はここからスタートします。

空を飛ぶことは男のロマンなんです。*1偉い人にもそれはわかるんですよ!
終始ワクワク感に溢れていました。短編ならではの、物語がグイグイ進む感じに引っ張られました。そこに小川一水的な「地味だけどちょっとだけ熱い」展開と、加えて舞台が空だからもうたまりません(笑)
休日、昼下がりのコーヒーブレイクにちょっと読むことをおすすめ。

「きみとぼくとかれの」(朝倉かすみ)

もう一つぐらい感想を書いておこうかな、ということでなんとなく朝倉かすみの短編をチョイス。
中盤のブログの辺りはとっても面白く読ませてもらった。
でも、最初と最後がちょっとだけ微妙かな。それと色々設定を詰め込んでたんだけど処理しきれてない印象。中盤が面白いだけに惜しい。

*1:主人公は女性です。