ノスタルジックな中二病的話


人間誰しも、多かれ少なかれ躁鬱病である。普段ピエロのように明るく振舞ってる奴だって、明るく誰の相談にも乗ってくれる奴だって、無性に独りでいたくなることもある。心に溜まった、漠然とした不安の吐き出し口なんてものを多くの人は持っていない。大体において、不安なんてものは時間が解決してくれる。でも、それでも正体不明のモヤモヤは、定期的に髪を切らなきゃいけないように、体内に徐々に蓄積される。あるいは三度の飯の如くやってくる人もいるかもしれない。
そんな時、昔のアルバムなんか捲っちゃうともうダメで、泣きたくなる。懐かしさって感情は実に恐ろしくて、その懐かしさに浸ったまま消えたくなる。クレヨンしんちゃんの映画の一つに「オトナ帝国の逆襲」という作品があり、しばしば「大人が観ても面白い」という意見を耳にする。それは大阪万博が舞台になっているから、というよりは作品全体に溢れるノスタルジーが要因なのである。その感覚を受け取ることができる人は観るといい。漠然とした不安を抱えている人は、溢れるノスタルジーを、そしてそこから脱却しようとする彼らを見て、今を生きる元気をもらうといい。