でかい月だな

でかい月だな

でかい月だな

ある満月の夜、友人に突然崖から蹴り落とされた中学生の「ぼく」。一命はとりとめるが、大好きなバスケットボールができない身体になってしまう。加害者の友人は姿を消し、入れ替わるように「ぼく」の前にあらわれたのは、インチキ錬金術邪眼を持つオカルト少女、そして「やつら」。そのうちに、世界は奇妙な「やさしさ」につつまれてゆき、やがて、地球のみんながひとつに溶け合おうとする夜がくる…。

第19回小説すばる新人賞受賞作。
「インチキ錬金術師」や「邪眼を持つオカルト少女」という内容紹介が見事にツボだった。


100P。これが一つのポイントだと思う。具体的には中川家に行くぐらいまでだが、そこまではずっと登り坂。文章が面白くない。キャラが立っていない。主人公は退屈を強調するが読んでるこっちが退屈だよバカ!とまあ、毒舌酷評モードだった。
しかし、最初の100Pを越えたらスピード感が出てきて作品内部にぐいぐい引き込まれていった。もしかしたら序盤の何ともいえない感じも作者の作為的なものかと思った。だとしたらすごいが……。ほんとのところは作者の水森サトリにしかわからないけど。
SF的という人もいますが個人的にはオカルト寄りかなーと思う。無理矢理分類するなら現代青春ファンタジーかな。
個人的に序盤で主役級の三人にもっと焦点を当てて欲しかった。あと作者は女性かな?なんとなく。
退屈な序盤を越えたら面白いと思う。かごめはベタだけど良いキャラしてた(笑)

結論として、小説すばる新人賞としては少し力不足かもしれません。
序盤やオチも含めて評価の分かれそうな作品でした。